日本脳神経外科学会第78回学術総会特別テーマ展示レポート

会場:大阪府立国際会議場 グランキューブ大阪

2019年10月9日(水)~10月11日(金)大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)にて開催された「日本脳神経外科学会第78回学術総会 特別テーマ展示」にて、株式会社セントラルユニのブースへ『遠隔手術支援ソリューション』を出展いたしました。

展示会場の様子
特別テーマ展示のコンセプト

我々が出展した特別テーマ展示のコンセプトは「求められる未来の病院」。
それに沿った形で、遠隔手術支援やこれから主流となる4K映像に対応する手術室映像システム等を展示しました。

医師偏在の課題へ向き合う「遠隔手術支援ソリューション」

遠隔手術支援ブース

地方病院のハイブリッド手術室で脳外科手術が行われているという前提で、それを都市部の病院に在籍する専門医が指導するといったデモをおこないました。

【デモの主なシステム構成】
  1. 手術室映像ソリューション「ORTIS(オルティス)」
  2. オルティスコントロールタッチパネル
  3. トランスコーダーシステム
  4. ORTISリモートカンファレンスソフトウェア
  5. クラウドサービス
  6. モバイルWi-Fi(通信インフラ)

オルティス遠隔手術支援デモのポイント

遠隔手術支援デモ

弊社の4K対応ネットワーク映像システム「オルティス」の特徴として、術野カメラの映像や映像出力ができるモダリティに関しては、すべてをまとめてひとつの映像として配信できるマルチ画面機能があります。これはディスプレイ側の機能に依存しない為、マルチ画面のパターンを自由にカスタマイズして配信することが可能です。

オルティス・コントロールタッチパネル(iPad利用タイプ)

また、映像配信にネットワークを使用している為、各手術室はすべてセグメントを分けたネットワークに所属しており、どの手術室のモダリティ映像でも、許可された物はお互いに共有して閲覧することが可能です。

今回の遠隔手術支援ソリューションは、それを外部へも院内と同様に共有可能にしたものです。院内の映像システムとネットワーク接続される為、指導病院側から、自分で見たい映像を好きなマルチ画面構成でセレクトすることも可能です。

遠隔だからこそ必要な機能を実装

アノテーション、チャットで伝える、伝わる

遠隔地にいらっしゃる方にとってもどかしいのが、「ここ、あそこ」といった暗黙知を形式化することです。近くに居れば指差しができますが、離れた場所では言葉に表すのが精一杯です。

そこでこのシステムでは、アノテーション機能を実装し、いわゆるお絵描きで簡単に形式知を表すことができるようにしました。

また、動画は常に進行してしまう為、どの地点でどんな指示をしたいのかが分かりにくくなってしまいます。そこで、チャット機能と画像キャプチャー機能を使って、どの地点でどんなことを伝えたいのか、明瞭化できるようにしています。加えてこのログは、csv形式にてダウンロードすることが可能です。オプションで進行中の動画をクラウドへ記録できる為、途中で巻き戻して見返すことも可能です。

参加者がシステムにログインし、特定のライブ配信に入室することで、多地点でお互いにライブ配信を見ながら、アノテーションやコメントを付けることができます。

院内の手術室映像システムとクラウドの手術支援システムが融合することで、双方に大きなメリットが生まれます。

セントラルユニ「Function Environment System『FES』」

セントラルユニ様展示

『凹凸のないフラット工法により、感染対策、清掃性他、将来変化に対応する壁面のフレキシビリティ』を実現するために、新たに開発されたウォールシステムです。

FESは、パネル自体が容易に着脱可能な構造のため、将来の手術室変化に柔軟に対応することができ、特に改修を計画されている施設での活用が大いに期待されます。

また、FESは手術室内だけではなく、全てのクリーンエリアへ提案・供給を目指しているそうです。

「遠隔手術支援ソリューション」今後の課題

会場で皆様からのご意見を集計しますと、主に遠隔手術支援には、以下のような課題があります。

  1. レイテンシー(遅延)を抑える課題
  2. さらなる画質向上(解像度、色)の課題
  3. 手術支援ガイドラインの策定
  4. 導入・運用経費の所在
1,2は開発側が技術的に解決可能なものですが、それに対して3,4は開発側だけではなく、利用者側でも検討が必要な課題となります。 弊社としましては、9月からプレサービスがスタートした5G通信サービスやエンコード技術の向上などを絡め、さらにソリューションをブラッシュアップして参ります。