手術室映像機器に求められるもの~術野カメラ編
「最近のビデオカメラは性能が高いのだから、術野の録画なんてビデオカメラで良いのでは?」と考えたことはありませんか。我々もよくお客様から聞かれることがあります。
なぜ、術野映像には専用機器が求められるのでしょうか。別に”医療向けだから”という理由のみで高価なわけではありません。
術野撮影の際は、血液の赤い色を重要視される術者が多いので「ホワイトバランス」、細かいところをズームし、撮影したい箇所に焦点を合わせることができる「フォーカス」のカメラ機能をオートでなく、マニュアルで調整できるものが使いやすいとされています。
主に、以下の4点が要求される機能と言われています。
- 高解像度
- 露出・手振れ補正
- リモート操作
- 電源・制御
術野カメラには、細部や暗部も精緻に撮影できる高い再現性が求められます。メーカーによっては、無影灯色を再現する機能など、微細な色再現が可能です。より明るく低ノイズの見やすい映像が出力できる、高速CMOSセンサーを採用している製品もあります。
露出調整が難しい無影灯下でも適切な露出ができることが求められます。適切な明るさに調整可能な光学NDフィルターなどを装備しています。また、術野映像には局部をズームする16~20倍程度のズーム機能も搭載される為、アーム作動時の撮影でも効果的に映像の振れを抑える光学の手振れ補正機能が必須です。
天吊りアームへ装着した際に、コントローラーからのリモート操作が必要となります。アームなどへ電動雲台を土台として取付け、パン(左右)チルト(上下)操作を行えるのが特徴です。最近では従来の2軸に加え、ロール(回転)まで行える3軸の雲台もあります。無影灯へ付けるカメラもあるが、撮影の自由度が異なる。
制御・電源供給は、アームの内側などの通線作業が容易なこと、ビデオカメラのようにバッテリー環境やサスペンドが掛かる環境ではなく、冗長電源から供給可能なことが求められます。PoE給電が可能な機種もあります。さらに、RS-232CやEthernetより、リモート制御ができることで、各モダリティとの連携が可能となります。